私の歩き方


  ぺったんこの靴   底から足の指が凍りつく
  あなたの言葉よりはまし
  明日でこの街にきて
  ちょうど一年目の冬
  田舎のハナシ
  とうとうできないうちに
  最後の朝
  きれいでやさしくてつめたい
  この都会のような
  女の子の方 あなたは選んだ

  ゆきかう人の流れははやい
  いまにも飲み込まれそう
  はじめてのころのとまどいを
  私 忘れてたみたい
  目的もないのに流れにのり
  目的地のない旅を続けてきた
  途中下車するのが怖かったから
  私じゃない私をみにつけ
  私じゃない歩き方をしてた
  降ろしてよと人に頼んじゃダメ
  自分で飛び降りなくちゃ
  少しコロんでひざすりむいても
  その傷が あなたをいやしてくれるわ

  ゆっくりと しっかりと
  私は 私の歩き方
  誰のマネでもなく
  誰にも押しつけられない
  自分の歩き方で歩くの
  どんどん他人が追いぬいて
  うしろ姿が小さくなっても
  私は私
  あせったりしないで
  ぶつかりかける人々を
  余裕の笑みでかわして
  自分の長さで歩いてみて
  流れにはさからわない
  でも流されもしない
  いつかこの無辺の大河をぬけて
  歩いて
  自分の小川に戻ろう



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