今、君を抱いている


　　　風がふいた

　　　二人の未来はバラ色だと
　　　夢の言葉でささやきたい
　　　・・・ウソはつけない
　　　君にもう　ウソはつけない
　　　ぼくたちの明日はみえない

　　　君のかおりをまとって
　　　すべて忘れてみたい
　　　二人をひきはがす現実という悪夢を
　　　君のなかで忘れていたい

　　　冬が近づいている
　　　春の来ない冬　雪がふりかかる・・・

　　　君を抱きしめる
　　　ぼくにとってこれが唯一の現実

　　　うごめく闇の音をききながら
　　　残されたあと一本のろうそくの前
　　　二人は身をよせあう
　　　あとわずかで灯は消える

　　　今、君を抱いている
　　　抱きしめている・・・

　　　　　　


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