あめをんな


     これから と 足ふみだした時
     いきなり ふりかかる雨粒
     まるで あの人みたい あの時の
     何の前ぶれもなしに
     これからと思うときの別れ いつもいつも
     何度同じ偶然を 味わってきたことだろう
     思いがけぬことの繰り返しのデジャヴ
     心のしんまで しみとおって冷えきる

       私 あめをんな きわめつけのあめをんな
       一番ふってほしくない時に 空がおちて来る
       私 あめをんな すくいがたい あめをんな
       すがりつく傘のない時に限って 雨はたたきつける

     凍えるのがこわくて 傘をかまえて歩けば
     笑われる青空 身軽な恋人達ゆきかう
     ロッカーに傘をかくして 旅に出よう
     今度こそ 雨のない街にたどりつけるかも

       私 あめをんな きわめつけのあめをんな
       一番ふってほしくない時に 空がおちて来る



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