とりあえず、できること。インフル その3


 からだの表面にいくらインフルエンザ・ウィルスがついていても、皮膚から吸収されるわけではありません。
 ウィルスのついたものに手をふれても、それだけでは感染はしません。 手の平ではインフルエンザのウィルスは増殖できないからです。
 ウィルスが侵入して増え、感染―発症までいきつくには、のどへの入り口がある首から上に行き着く必要があります。
 一番簡単で手軽なのは、外出時(もしくは感染の危険性がある場所で)は、 入念な手洗いもしくは消毒してない状態で、けっして手で顔をさわらないことです。
 ・・・子供にはむつかしいでしょうけど。
 それと、髪の毛。
 毎日洗っている自分の髪は汚くないと思いがち。
 でも、どんなに美しく輝いてみえる髪でも、外〜他人と行き交うようなとこに出たら、 地引網のように、極小なモノをいろいろくっつけてしまいます。
 女性の方が無意識のうちによくやるしぐさ、髪にふれ、そしてその手をそのまま顔にもっていく。 口元や目元をさわる。・・・ウィルス大喜びです。
   実際のところ、花粉の場合、髪にかなりくっついてきますので、外出の時はご用心を。

 つぎに、セキやクシャミからの防御。
 風邪のひとが混んだ人ごみの中で遠慮なく激しいセキやクシャミを飛ばすと、散弾銃をかなりな広範囲に撃ちまくりな惨状になります。
 通りすがりや一瞬のレベルならまだしも、狭い室内や乗り物のなかで、一定時間・その濃厚空間にいれば感染率も高まります。
 マスクをしていると目の前にバリケードがあるので、飛沫をぶっとばす加速が大いにそがれます。 それだけでもずいぶん違うし、周囲のひとの精神衛生(気分の問題)もよくなることでしょう。
 なぜかお約束のように、やばそうなセキを群集の中でしてる人に限って、マスクしてないですよね・・・。
 だから、未感染者のほうがマスクでデフェンスを心がけたほうがよさそうです。
 マスクではウィルスの侵入は完全には防げません。とはいっても、しないよりするほうが安全です。 ようするに、「マスクしているから大丈夫」な過信さえしなければいいってことです。
 あと、マスクしていると手で鼻や口をすぐさわりにくくなる、というメリットもあります。

 昔ながらのガーゼマスクは、フィルターとしての役目は弱くても、のどに入ってくる空気に暖かさと湿り気を与える効果があります。 のどを痛めないことで、侵入したウィルスに対する抵抗力を高めます。 インフルよけでなく、乾燥と寒さのつのる冬に、のどの保護が目的でマスクをすることは無意味ではありません。
 「サージカルマスク」は、―日本では公共の正式な検定があるわけではないようなので通常“自称サージカル”なんですが― たいていプリーツ式でノーズフィッターがついているやつですね、あとカップ立体型、アヒルさん型、そんなところでしょうか。
 一番大事なのは、自分の顔に合うかどうか、です。 顔との間にすきまがたっぷりできていたら、どんな素晴らしい画期的な超高級フィルター採用のマスクであろうと、あまり意味が・・・。
 個人的な感想では、寸法は同じ(表記)で見た目は類似していても、マスクのフィット感は個々様々です。
 緊急事態襲来であわてて買ってつけて、サイズ合わなくてスカスカか息苦しくて困るより、 自分にとってベストの“ここ一番につける勝負マスク”をはやめに見つけておいたほうがいいでしょう。
 少なくともこの冬は、非感染者がマスクをしても、奇異にはみられないはずです。たぶん。
 
 なんでもそうですが、可能性を0にすることは難しい。
 でもそれが、可能性を下げる努力をしなくていいということにはならないと思うのです。

2009.10.19



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